昭和31年10月の第一次増築工事完成によって、福屋は新しく生まれ変わりました。館内には、最新式のクリスタルエスカレーターが設置され、屋上には大ネオン塔が建設されました。高さ31.3mもあるネオン塔には、広島初となる回転気象塔が取り付けられ、晴れは白色、雨は青色など、翌日の天気を色で予報するということで大変話題になりました。また、メリーゴーランドなどで人気を博していた屋上遊園も拡充され、空中ケーブルやオートジャイロ、回転自動車、子供汽車などが登場。公募により「子供天国」と名づけられ、子供たちやお父さん・お母さんでにぎわいました。昭和32年に、広島市の人口は40万人となり、広島の産業も活気を取り戻しつつありました。翌年の昭和33年には「広島復興大博覧会」が行われ、福屋も「明治大帝展」や「うまいもの大会」などを開催。多くの方にご好評をいただきました。そして、岩戸景気と呼ばれる好況期に入った昭和34年10月、福屋は創業30周年を迎えたのでした。