お客さまの人波ができるほど盛況を見せていた開店当時、営業時間は、現在とは少し違う午前9時から午後9時まで。歳末の大売り出しの時などは、閉店時間が遅くなることも珍しくなかったといいます。モダンな制服に身を包んだエレベーターガールや、化粧品売場のマネキンガールは、若い女性の憧れの的となり、広島初となる本館3階角の電光ニュースは、道ゆく人の足を止め、人気を博しました。昭和6年7月には、白島電車線京口門前に福屋遊園が開設され、皆様の憩いの場となりました。翌年には八丁堀名物の納涼台として親しまれた、屋上展望台が完成。本通と金座街を結ぶ堀川町には、食料品と日用雑貨を主に扱う「福屋十銭ストア」が開設されました。一角には十五銭食堂が設けられ、エプロン掛けのお客さまでにぎわう、気軽な庶民のお店として、商店街の人気スポットとなりました。また、文化催事が次々と催され、広島の文化発展にも貢献しました。